BASF―約30%の減収に、石油安と事業売却響く―

化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)が4月29日発表した2016年1-3月期(第1四半期)決算の売上高は前年同期比29%減の142億800万ユーロと大幅に落ち込んだ。天然ガス販売・貯蔵事業の売却と石油価格の急落を受けて石油・天然ガス部門が88%の減収となったことが最大の押し下げ要因。化学関連の部門もすべて売上減となっており、基礎化学品は19%落ち込んだ。

石油・天然ガス部門の売上高は前年同期の49億9,300万ユーロから6億1,100万ユーロへと縮小した。BASFは昨年、露ガスプロムと資産交換を実施。西シベリアにあるガス田の採掘権を取得する見返りとして、西欧で天然ガスの販売・貯蔵事業を展開する両社の合弁事業の資本をガスプロムに全面譲渡した。

16年1-3月期の営業利益(EBIT、特別要因を除く)は19億600万ユーロで、8%減少した。石油・天然ガス部門が85%減の6,600万ユーロに後退。基礎化学品部門も製品価格の下落が響いて36%減の4億6,500万ユーロへと落ち込んだ。その他の化学関連の部門は販売増とコスト削減の効果ですべて増益を確保した。

純利益は18%増の13億8,700万ユーロに拡大した。石油・天然ガス部門の不振などを受けて税負担が軽減されたことが大きい。

上部へスクロール