独機械・設備メーカーの70%が昨年、知財権の侵害を受けたことが、ドイツ機械工業連盟(VDMA)が行った会員企業アンケート調査で分かった。前年の71%をやや下回ったものの、依然として高い水準にある。知財権侵害で失われた売上高は73億ユーロ(前年79億ユーロ)で、業界売上高(2,181億ユーロ)の約3.4%に上る。VDMAは知財権の侵害により、売り上げだけでなく企業イメージや市場での優位性も失われるとして注意を促した。
知財権の侵害を受けたとする回答が最も多かった業種は原動機・システムと樹脂・ゴム機械で、それぞれ92%に上った。これに繊維機械と熱処理機械(ともに91%)、農業機械(90%)、工作機械(89%)が続いた。
項目別では部品との回答が62%で最も多く、2位は外見(47%)、3位は機械全体と交換部品(ともに41%)だった。
知財権の種類別では製品模造が53%で最大。これに特許が41%、ブランドが36%、意匠権が23%で続く。
どの国の企業から知財権侵害の被害を受けましたかとの質問では中国との回答が83%で圧倒的に多かった。前年調査の72%からは11ポイントの大幅上昇で、VDMAはこれについて、知財権を侵害する中国企業はこれまで模造品を主に自国内で販売してきたが、最近は国外やインターネットでも販売するようになったため目につきやすくなったと事情を説明する。
模造品の販売ルートでは非正規ディーラーとの回答が44%で最も多く、2位はB2Bのオンラインプラットフォーム(28%)、3位は正規ディーラー(26%)だった。