ボーイング―ミュンヘンに研究拠点―

航空機大手の米ボーイングはこのほど、ドイツ南部のミュンヘンに研究・技術オフィスを開設すると発表した。次世代航空機素材と生産オートメーションの分野に焦点を合わせており、製造プロセスの改善やコスト削減につなげる考えだ。競合の欧州企業エアバスが米国事業を強化していることから、これに対抗する狙いもあるもよう。

ミュンヘンの新拠点は約10人体制とする考えで、すでに採用を開始した。スペインのマドリードにあるボーイング欧州研究・テクノロジーセンター(BR&T-E)の傘下で活動を行う。

ミュンヘンを州都とするバイエルン州は航空機素材と生産技術の開発が盛んで、様々な業界団体やイニシアティブが活動を展開。ボーイングは昨年末、独南部のアウグスブルクに本部を置く

高機能繊維複合材料の産学団体カーボン・コンポジッテス(CCeV)に加盟した。日刊紙『ヴェルト』によると、航空機業界内にはボーイングが将来、ミュンヘンの新拠点を技術センターの発展させるほか、ドイツで生産も行うとの観測があるという。

エアバスは米国で航空機の生産に乗り出したうえ、昨年にはシリコンバレーにベンチャーキャピタルファンドとイノベーションセンターを開設。米国で生まれる画期的な技術を早期に取り込む体制を整えた。

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