物流大手のドイツポストDHLは9日、自動飛行する小型無人ヘリコプターの新たな試験プロジェクトに成功したと発表した。無人ヘリへの荷物の積み込みと積み降ろしを世界で初めて完全自動化。配達人を介さずに受け手に荷物を引き渡せるようにした。
DHLは独南部の山岳地帯ライト・イム・ヴィンクルで1月から3カ月間、同プロジェクトを実施した。自動積込・積降を実現するために専用のパックステーションを開発。谷間と標高1,200メートルの山上にそれぞれ1台設置した。
配達の手順は(1)DHLの職員が暗証番号を入力して小包を谷間のパックステーションに入れる(2)小包はパックステーション内で輸送用の包装容器に格納される(3)同パックステーションの上部に無人ヘリが着陸する(4)パックステーションの上部が開き、小包入りの格納容器を無人ヘリの下部に装着する(5)無人ヘリが山上のパックステーションまで飛び、上部に着陸する(6)パックステーションの上部が開き、格納容器を収納する(7)顧客はパックステーションに暗証番号を入力し小包を受け取る――というもの。DHLは3カ月間にこの作業を計130回、行った。今後はアーヘン工科大学の協力を受けて試験プロジェクトのデータを解析し、今後の試験プロジェクトの実施地を決定する。
同社は2013年、無人ヘリによる配達プロジェクトを初めて実施した。この時は人がリモートコントロールする方式を採用していた。14年のプロジェクトでは欧州で初めて自動無人ヘリを投入した。ただ、この時は積み込みと積み下ろしが自動化されておらず、着陸後にDHLの職員が小包を配達していた。
(動画を参照:http://www.dpdhl.com/en/media_relations/press_releases/2016/successful_trial_integration_dhl_parcelcopter_logistics_chain.html)