ドイツで利用されているエレベーターの少なくとも60%に何らかの不具合があることが、技術監査協会連盟(VdTUEV)がこのほど発表した最新版『設備安全レポート』で分かった。同数値には法令に基づく定期検査を受けていないエレベーター(全体の20%)が含まれていないことから、不具合の割合は実際にはもっと高いとみられる。
テュフジュードやデクラといった技術監査機関は昨年、国内のエレベーター合わせて53万4,229台を対象に検査を実施。不具合が全くなかったのは全体の38.6%にとどまった。安全に支障のない「軽度の不具合」は47.72%。緊急通報装置の故障やワイヤーロープの腐食など「安全上の重大な不具合」は13.04%で、安全装置の故障やワイヤーロープの摩耗など「危険な不具合」も0.62%あった。
ドイツでは業務安全政令(BetrSichV)が改正され、エレベーターの次回検査日をかごの内部など人目につく場所に明記することが昨年6月から義務づけられている。その効果もあり昨年は技術監査を受けるエレベーターの数が5%以上増加した。