樹脂製レジ袋の販売中止へ、スーパー大手レーベが今夏から

独食品スーパー大手のレーベ(REWE)は1日、バーバラ・ヘンドリックス環境相と自然保護団体NABUのオーラフ・チムプケ会長が同席した記者会見で、樹脂製の有料レジ袋の販売を全面的に中止すると発表した。ドイツでは小売業界団体HDEが2月に環境省と協定を締結し、多くの小売店は4月から樹脂製レジ袋を有料化した。レーベはそれよりも一歩進んだ措置を取ることで、「環境に優しい」というイメージをアピールする考えだ。

樹脂製レジ袋は自然分解されにくく、廃棄されると海洋生物が誤食したり、残留性有機汚染物質による土壌・水質汚染を引き起こす。欧州連合(EU)の欧州委員会の調査では、北海の全鳥類の94%の胃にレジ袋のプラスチックが含まれていることが分かっている。

EUはこうした事態を深刻視。昨年3月にレジ袋削減に向けた指令を成立させた。EU域内の1人当たりの年間レジ袋使用量を2010年時点の推定198枚から20年に90枚、26年には40枚へと減らす目標だ。ドイツは現在71枚で、20年の規制値を下回るものの、26年の数値はクリアしていない。

HDEはこれを受け、樹脂製レジ袋を有料化することで連邦環境省と合意した。政府と協定を結ぶことで法律による規制を回避する狙いだ。

レーベはこれまで、樹脂製レジ袋を販売してきた。現在抱えている在庫を処分するため、7月までは販売を続けるものの、それ以降は中止。レジ袋を必要とする買い物客には何度でも利用できるコットン製、リサイクル素材製、紙製の買い物袋や段ボール箱を販売する。

レーベの店舗は国内に3,000カ所以上ある。週当たりの買い物客数は約2,700万人。今回の措置により年およそ1億4,000万枚の樹脂製レジ袋を削減できる。

130カ所の店舗で3カ月間実施したテストでは有料レジ袋購入者の65%が何度でも利用できる買い物袋を選んだという。

野菜・果物売り場で買い物客が無料で利用できる樹脂製の小袋については今後も提供していく。ただ、これについても代替策を検討するとしおり、将来的に自然分解する素材を用いる可能性もある。

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