独空港を中国企業が買収

西南ドイツのラインラント・ファルツ州は6日、同州が保有する地元フランクフルト・ハーン空港の資本82.5%を中国企業Shanghai Yiqian Tradingに譲渡することで合意したと発表した。隣接するヘッセン州も残り17.5%を同社に売却する方向とみられ、ハーン空港は中国資本の完全傘下に入る見通しだ。同空港はフランクフルト国際空港の西およそ110キロの農村地帯にある。

ハーン空港はもともと米軍基地だったが、米軍の撤退後に民生用に転換された(営業開始:1993年)。主にアイルランドの格安航空ライアンエアーが利用している。

ただ、ライアンエアーは2011年の航空税導入を受けて同空港の利用を大幅に縮小。同空港の利用者数は2005年の約400万人から昨年は270万人へと落ち込んだ。

不採算が続き自力再建のめども立たないことから、ラインラント・ファルツ州は持ち分の売却手続きを進めていた。応札したのはすべて中国資本。そのなかで最も有利な提案を示したShanghai Yiqian Tradingが落札した。プレスリリースによると、買収金額は「千万ユーロのケタ台のなかの低い額」。同州は24年まで総額5,000万ユーロ以上の補助金を交付し、ハーン空港の運営・投資を支援する。補助金交付には欧州連合(EU)欧州委員会の承認が必要。

Shanghai Yiqian Tradingは空港、物流、貿易分野で活動する企業。ハーン空港の利用者と荷物取扱量を増やすために、アジアの提携先企業との協力関係を強化し観光客などを増やす考えだ。

上部へスクロール