ドイツの自動車部品メーカーがメキシコへの進出を加速している。独自動車工業会(VDA)によると、独サプライヤーの現地拠点数は2010年から40カ所増えて約150カ所に達した。多くの国と自由貿易協定(FTA)を締結していることが大きい。
メキシコは計46カ国とFTAを締結している。このため、同国に進出した企業は輸出面で大きなメリットを享受できる。特に同国とカナダ、米国が締結する北米自由貿易協定(NAFTA)は重要度が高い。
賃金が低いことや質の高い専門人材、1億2,000万人に上る人口も大きな魅力で、VDAのマティアス・ヴィスマン会長は「メキシコはポテンシャルの大きい市場だ」と明言する。
サプライヤー大手のボッシュは7,000万ユーロを投じて操舵システム工場を建設する計画で、現地従業員数は19年までに3,000人増えて1万6,000人へと拡大する見通しだ。コンチネンタルは過去10年間で同国に約8億ユーロを投資した。投資額は増加基調にあり、昨年は1億3,000万ユーロに上った。