研究開発型製薬工業会(VfA)は10日、ドイツで昨年実施された新薬の治験件数は599件に達し、米国(2,397件)に次ぐ世界2位に付けたと発表した。3位は英国(547件)。日本は302件で9位だった(表1を参照)。VFAは米国立衛生研究所(NIH)が運営する臨床試験データベース「クリニカルトライアルズ・ドット・ゴブ」の情報をもとに資料を作成した。
ドイツの治験の内訳をみると、最も多かったのは市販前臨床試験の最終段階であるフェーズ3で、40.7%を占めた。これにフェーズ2(29.2%)、フェーズ1(22.5%)が続き、市販後の臨床試験であるフェーズ4は7.6%だった(表2を参照)。
フェーズ2~フェーズ4は計468件だった。最も多い疾患分野はがんで、136件。2位はぜんそくや多発性硬化症といった炎症(111件)、3位は感染症(48件)、4位は心臓・循環器系疾患(29件)、5位は2型糖尿病(21件)だった。
治験が最も多く行われたドイツの都市はベルリンで226件に上った。これにハンブルク(153件)、ミュンヘン(142件)、フランクフルト(117件)が続く(表3を参照)。
VFAのブリギット・フィッシャー専務理事は「(治験への参加を通して)医療の進歩に協力する病院が多いことがドイツの強みだと」の見解を示した。