独ブラウンシュヴァイク検察当局は20日、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)グループのヴィンターコルン前社長を対象に捜査を開始したことを明らかにした。排ガス不正問題をめぐって適時開示義務に違反した疑いがあるためで、金融監督庁(BaFin)の刑事告発を受けて捜査に乗り出した。
VWは同不正問題にからんで2015年12月期に162億ユーロに上る巨額の引当金を計上した。VWは同問題を昨年9月22日に公表したものの、それよりも前の時点で巨額の損失が出ることを把握していた疑いが持たれている。
同検察当局はヴィンターコルン前社長以外にも役員1人が捜査対象になっていることを明らかにした。実名は伏せているものの、dpa通信は複数のソースから入手した情報として、VWブランド乗用車を統括するディース取締役だと報じた。