作業着のクリーニング代は誰の負担か?

職場で作業着の着用が義務づけられている場合、クリーニング代は雇用主が負担すべきなのだろうか、それとも被用者が負担すべきなのだろうか。この問題をめぐる係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が14日の判決(訴訟番号:9 AZR 181/15)で判断を示したので、ここで取り上げてみる。

裁判は食肉センターで畜殺業務に携わる職員が雇用主を相手取って起こしたもの。

同センターでは職員に白の衛生服を支給している。衛生服のクリーニング代は各職員の負担で、原告は月給から毎月10.23ユーロを天引きされていた。

原告はこれを不当として提訴。2011年1月~14年2月の天引き分を支払うよう要求して提訴した。

1審と2審は原告勝訴を言い渡し、最終審のBAGも同様の判断を示した。判決理由でBAGの裁判官は、食品加工業務に従事する被用者には雇用主が清潔な衛生服を支給することが欧州連合(EU)とドイツの法令で義務づけられているとしたうえで、委託した業務の遂行に必要な経費は委託者が負担しなければならないとした民法典(BGB)670条の規定を指摘。クリーニング代はそうした経費に含まれるとの判断を示した。

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