防衛システムや航空宇宙、金属加工、制御機器など幅広い分野で事業を展開する独ディール(ニュルンベルク)は5日、ベンチャーキャピタル子会社ディール・ベンチャーズを設立したことを明らかにした。自社では得にくい斬新な技術を取り込んで競争力を高めることが狙い。第一弾として電力管理ソフトを開発する新興企業ロケット・ホームに30%を出資した。
ディールは自社の事業を補完する技術を持つ新興企業に投資していく。対象となるのはすでに具体的なビジネスモデルを作り上げた企業で、設立したばかりの企業は対象外。
ロケット・ホームは一般世帯や企業、都市エネルギー公社向けにインターネットベースの電力管理ソフトを開発している。ディールは自社の計測・制御機器事業を補う技術と判断し出資した。
大手企業の多くは秀才型の技術者を多数、抱えているものの、斬新な技術を内部で生み出せないというジレンマを抱えている。このため有力な新興企業をいち早く見つけ出して支援することの意義は大きく、ベンチャーキャピタル子会社を設立したり、新興企業を調査・選別ためのオフィスをシリコンバレーやイスラエルのテルアビブに開設する動きが活発化している。