ベアテ・ウーゼ―財務悪化で社債利払い先送り―

独アダルトショップ最大手のベアテ・ウーゼ(ハンブルク)が経営難に陥っている。ネット通販に押されて業績悪化に歯止めがかからないためで、6日の債権者集会では社債の利払い延期が取り決められた。

同社は女性パイロットとして活躍したベアテ・ウーゼ氏(1919~2001)が戦後に創業した。避妊啓蒙が起業の目的だったが、1962年にアダルトショップを開設し、急速に事業を拡大。1999年にはフランクフルト証券取引所で株式市場にデビューした。

創業者の生存中は業績が好調だったが、近年はアダルト用品のネット通販に圧迫されて業績が悪化。昨年は純損益が1,840万ユーロの赤字となり、自己資本比率は前年の28.2%から11.4%へと大きく落ち込んだ。今年は国内78店舗のうち18店舗を閉鎖し、売上高が昨年の1億2,900万ユーロから1億1,500万~1億2,000万ユーロに縮小する見通しだ。

業績回復に向けてネット販売や女性向け事業の強化に取り組んでいるものの、成果は上がっていない。

ベアテ・ウーゼは2014年、総額3,000万ユーロの5年物社債を発行した。利回りは年7.75%。9日に予定していた利回り計200万ユーロ強を支払えないことから、債権者集会を開催した。

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