独ラインラント・ファルツ州のマル・ドライヤー首相は7日、同州が保有する地元フランクフルト・ハーン空港の資本82.5%を中国企業Shanghai Yiqian Trading(SYT)に譲渡する契約を破棄することを明らかにした。期限内に支払いが行われなかったうえ、売却入札で提出した書類に虚偽の情報が多数、含まれていることが判明したためで、刑事告発も行うとしている。
ハーン空港は不採算で自力再建のめどが立たないことから、同州は持ち分の売却に向けて入札を実施した。応札したのは中国資本3社。そのなかで最も有利な提案を示したSYTが落札した。
だが、SYTからの支払いが行われないことから、同社に対する疑念が発生。SYTはこの時点で、買収手続きの70~80%はすでに完了しているが、買収計画への許可が中国当局から下りないため支払いを行えなかったなどと釈明していた。
これを受けて、州政府関係者が中国に出向いて調査したところ、SYTが中国当局に買収計画の承認申請を行っていないことが判明した。また、SYTが州に伝えていた所在地に同社がないことも明らかになった。
州政府は今後、ハーン空港の競売入札に参加した他の2社と交渉を行う考えだ。