自動車大手の独ダイムラーは18日、自動運転システムを用いた市内バスの実地走行試験に世界で初めて成功したと発表した。試験中に運転手がアクセルとブレーキを踏むことは一度もなかったという。同社は技術的な優位性を保つため、自動運転バスの開発に今後5年間で約2億ユーロを投資するとしている。
蘭アムステルダムにあるバス高速輸送システム(BRT)の専用レーン(およそ20キロ区間)を利用して試験を実施した。同自動運転バスはセンチメートル単位でバス停や交差点で正確に停車。乗客の乗り降り終了後などに自動発車し、レーン上に人や障害物があると自動的にブレーキがかかる。路車間通信を行い、交差点の渋滞情報を取得する。最高速度は時速70キロ。
ダイムラーは自動運転トラックを使って実施した高速道路走行試験の成果を踏まえて市内バス用の自動運転システム「シティ・パイロット」を開発。今回の試験を行った。バスの自動運転により燃費が改善しエンジン負担も軽減されることから、車両の維持費低下や寿命の長期化が期待できるとしている。