自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)は20日、2016年1-6月期(上半期)の営業利益が特別要因を除いたベースで前年同期(69億9,000万ユーロ)比7%増の75億ユーロとなり、市場の予測を大幅に上回ったと発表した。欧州市場と大口顧客向け事業の回復のほか、これまで足を強く引っ張ってきた主力ブランドVWの業績改善が大きい。グループ全体で進める事業効率引き上げプログラムも奏功した。
特別要因を除いた営業利益は53億ユーロで、前年同期の68億2,000万ユーロから22%減少した。ディーゼル車排ガス不正問題などで引当金を計上したことが響いた。
VWは15年12月期に同不正問題で引当金162億ユーロを計上した。16年1-3月期(第1四半期)は積み増していないことから、4-6月期(第2四半期)に計上したことになる。VWに対しては米ニューヨークなど3州が民事制裁金の支払いを求めて19日に提訴。また、同社はカナダ当局との和解に向けて交渉していることから、引当金の積み増しに踏み切ったもようだ。