ガレニカ―高カリウム血症治療薬メーカー買収へ―

スイスの製薬会社ガレニカ(ベルン)は21日、米同業レリプサを買収することで合意したと発表した。両社の製品は補完性が高いことから相乗効果を引き出す考え。独自の米国販売組織を獲得することも今回の買収の狙いだ。新薬子会社ビフォーファーマを強化する。

株式公開買い付け(TOB)を実施して、レリプサを買収する。買収価格は1株当たり現金32ドルで、総額は15億3,000万ドルに上る。

レリプサは従業員数が400人と少なく、第1四半期の売上高も1,240万ドルにとどまった。5,480万ドルの大きな赤字を計上している。昨年10月に米国市場へと投入した高カリウム血症治療薬「バルタッサ(Veltassa)」は売上高が60万ドルにとどまったものの、将来は年商10億ドル以上の医薬品(ブロックバスター)になると期待されている。

ビフォーファーマは鉄欠乏症治療「フェリンジェクト(Ferinject)」が主力商品(年商2億5,000万スイスフラン)。同薬は人工透析に投入される。

バルタッサとフェリンジェクトはともに腎臓病患者に投与されることから、ビフォーファーマはシナジー効果を期待している。また、両薬と組み合わせて心臓病患者に投与することも視野に入れている。

ガレニカは新薬子会社ビフォーファーマと一般医薬品(OTC)・薬局子会社ガレニカ・サンテを2017年末までにそれぞれ上場させることを計画している。ビフォーファーマは年商が約10億フランで、世界の新薬市場で単独で生き残るには規模が小さいことからレリプサを買収。相乗効果を通して事業規模を拡大していく。

上部へスクロール