独航空最大手のルフトハンザ(フランクフルト)が同2位のエア・ベルリンから一部路線を譲り受ける方向で交渉しているもようだ。『ハンデルスブラット』紙が20日、報じた。両社は報道内容へのコメントを控えているものの、他のメディアもその後、独自取材に基づき同様の報道を行っており、信ぴょう性は高いとみられる。
エア・ベルリンは事業の拡大路線などが響いて経営が悪化。2011年に実施した第3者割当増資で中東系エティハド航空が株式29%を取得し、筆頭株主となった。
エア・ベルリンはエティハドの支援を受けて経営再建に取り組んできたものの、成果は上がっていない。エティハドの支援も限界に達していることから、エア・ベルリンの経営を健全化する手段として一部路線の売却が浮上しているもようだ。
メディア報道によると、エア・ベルリンはハブ空港のベルリンとデュッセルドルフを除くすべての空港発着便を機材も含めてルフトハンザに提供する方向。これによりエア・ベルリンの運用機材数は現在の153機から40機減少し、固定費負担が軽減される。
ルフトハンザは現在、LCC(格安航空)部門ユーロウイングスの強化に取り組んでいる。ユーロウイングスをLCC大手のライアンエア、イージージェットに匹敵する規模に拡大する考えで、機材数を現在の約90機から230機以上に増やす目標だ。エア・ベルリンの一部路線と機材の取得はこの方針に合致している。