仏石油大手トタルが売りに出している独特殊化学子会社アトテック(ベルリン)の買収にエネルギー・化学大手の中国中化集団が関心を示しているもようだ。アトテックの競売入札に携わる人物の情報としてロイター通信が報じたもので、トタルは中国中化集団と投資会社シンベン、BCパートナーズに対し拘束力のある買収提案を行うよう要請したという。30億ユーロ以上の売却益を目指しているもようだ。関係各社は報道内容へのコメントを控えている。
アトテックは金属表面加工のほか、半導体・プリント基板産業向けの製造装置を手がけている。売上高は約10億ユーロで、今年は営業利益(EBITDA)およそ2億5,000万ユーロを計上する見通し。
トタルは特殊化学事業から撤退する方針で、2014年には特殊接着剤製造のボスティックをアルケマに売却した。アトテックを放出すると特殊化学事業からの撤退が完了する。