ドイツ南部のヴュルツブルク近郊で先月起きた難民による無差別殺傷事件はイスラムテロ組織「イスラム国(IS)」の指示を受けて実行された計画的なテロであることが分かった。当初はイスラム過激思想に感化された単独犯の行動とみられていたが、その後の捜査で犯人がサウジアラビアの電話番号を持つIS関係者と電話でコンタクトを取り、犯行の詳細な指示を受けていたことが判明した。各種メディアが治安関係者の情報として報じ、サウジ当局が8日追認した。
ヴュルツブルク近郊で18日に起きた事件では、アフガニスタン人として1年前に難民申請した17歳の少年がローカル線の乗客などに斧で襲いかかり5人に重傷を負わせた。犯人は犯行前にIS関係者と行った電話で、自動車で人々の群れに突っ込み殺傷することを提案された。これに対し運転免許を持っていないため運転できないと回答。ナイフでの殺傷を打診したところ、斧にすべきだと改めて提案されたという。
メディア報道によると、アンスバッハで24日に起きた自爆テロもIS関係者の指示で行われたもようだ。犯人のシリア難民は野外コンサート会場で爆弾を炸裂させようとしたが、入場券を持っておらず入場できなかったため、IS関係者とみられる人物と電話で接触。緊迫したやり取りの後に近くのレストランに行くように指示され、レストランの前で自爆した。複数の爆破を計画していた可能性が高いことから、誤爆だったとみられる。