ドイツ機械工業連盟(VDMA)は5日付の声明で、中国のサイバーセキュリティ法案は機械や設備が工場や企業の枠を超えて世界的につながりデータを交換する「インダストリー4.0(I4.0)」の普及を妨げると批判した。同法案では当局がこれらのデータにアクセスすることが認められており、I4.0実現の前提となる情報保護が危ぶまれている。VDMAは国際標準と両立可能なルールの導入を要請した。
ドイツのジグマール・ガブリエル経済相と中国工業情報化部(MITT)の苗ウ(Miao Wei)部長は昨年7月、I4.0分野の協力に関する覚書に調印。その際、◇知財権を保護する◇技術移転を強要しない◇透明な標準策定◇企業データの保護◇企業活動の枠組み条件の改善――で合意した。VDMAは、中国のサイバーセキュリティ法案はこれらの取り決めに全面的に反するものだと批判している。