リモワ―LVMHに身売り―

高級スーツケース製造の独リモワは4日、高級ブランド大手の仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンが同社を買収することで合意したと発表した。LVMHの傘下に入ることで販売、マーケティング、デジタル化の分野でシナジー効果を引き出す考え。リモワのオーナーであるディーター・モルシェック社長は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、経営に行き詰って身売りするわけではないことを強調した。

モルシェック社長がリモワ株80%を6億4,000万ユーロで売却する。残り20%は手元に残し、引き続き社長も務める。LVMHはベルナール・アルノー社長(大株主)の長男アレクサンドル氏(24)をリモワの共同社長として送り込む。取引は独禁当局の審査を経て来年1月に完了する見通し。

旅行カバン業界では最大手の米サムソナイトが3月、高級カバンの米ツゥミを買収すると発表した。市場にはLVMHへのリモワの身売りはこれを受けた措置との見方がある。

リモワは1898年の創業で、従業員数は3,000人。本社所在地ケルンのほか、チェコ、カナダ、ブラジルに工場を持つ。昨年の売上高は前年比28%増の約3億5,000万に拡大した。今年は約4億ユーロに達すると予想している。

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