ダイムラー―バッテリー工場を大幅拡張、世界生産網も構築へ―

自動車大手の独ダイムラー(シュツットガルト)は24日、独東部のカメンツにあるリチウムイオン電池子会社ドイチェ・アキュモティブの工場で新しい生産施設の起工式を行った。電気自動車(EV)とハイブリッド車の車種拡大を見据えた措置で、カメンツ工場をバッテリー分野におけるグローバル生産体制の中核拠点と位置づけた。

新生産施設を2018年半ばから稼働。カメンツ工場の生産・物流施設面積を4倍の約8万平方メートルへと拡大する。生産したバッテリーはメルセデス・ベンツ、スマートの車両に搭載する。

メルセデス・ベンツは先ごろ開催されたパリ・モーターショーで、電動パワートレイン車に特化した新ブランド「EQ」を公開した。EVだけでも2025年までに10以上の新モデルを市場投入する計画だ。

これに伴いリチウムイオン電池システムをグローバルに生産する考えで、総額10億ユーロを投資する。カメンツ工場にはその半分の5億ユーロを投じる。

同社は新生産施設をカーボンニュートラルとする考えで、エネルギーは熱電併給システムと太陽電池で賄う。サッカー場2つの面積に相当する生産ホールの天井には太陽電池モジュールを設置。発電容量で2メガワットを確保する。