トルンプ―3Dプリンター事業強化へ―

工作機械大手の独トルンプ(ディッチンゲン)は19日の決算発表で、3Dプリンター事業の強化方針を明らかにした。将来性が極めて大きいためで、今後2年で同分野の雇用規模を3.5倍以上に拡大。8年以内に売上規模を5億ユーロへと引き上げる考えだ。

3Dプリンター事業の従業員数は現在75人にとどまる。同社は2017年6月期に最大100人、18年6月期にも最低100人を新規採用し、大幅に拡大する。

16年6月期決算の税引き前利益は3億310万ユーロで、前期を15.2%下回った。比較対象の15年6月期は医療機器事業の売却で水準が7,200万ユーロ押し上げられており、その反動が出た格好。同売却を除いた実質ベースでは6.3%の増益を確保した。

売上高は3.4%増の28億8,500万ユーロに拡大した。増収幅が大きかった国はスペインとフランスで、それぞれ50%、19.6%を記録。ドイツ本国も5.2%増の5億9,700万ユーロと好調だった。米国は0.3%増の3億7,000万ユーロで、中国は0.5%減の3億6,800万ユーロへと落ち込んだ。

税引き前利益の対売上高比率は10.8%で、前期の13.1%から低下した。

投資額は6.3%増の1億3,760万ユーロに拡大した。新製品開発のほか、合弁会社の設立やスタートアップ企業の支援、デジタル分野の強化に向けたソフト会社(ゼティックス、Cラブス)の買収に資金を投じた。