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2016/11/23

企業情報

KANT―ボルボの軍用トラック部門買収か―

この記事の要約

KANTのプロジェクト名で戦車の合弁事業を展開する独クラウス・マッファイ・ヴェークマン(KMW)と仏同業ネクスター・システムズが、スウェーデンの商用車大手ボルボから軍用トラック部門を買収する方向で交渉しているもようだ。独 […]

KANTのプロジェクト名で戦車の合弁事業を展開する独クラウス・マッファイ・ヴェークマン(KMW)と仏同業ネクスター・システムズが、スウェーデンの商用車大手ボルボから軍用トラック部門を買収する方向で交渉しているもようだ。独日刊紙『ヴェルト』が業界情報として報じた。KMWとネクスターはコメントを控えている。

ボルボは軍用トラック部門の放出方針を打ち出している。同部門は仏ルノー、同パナール、米マック・ディフェンスの3ブランドで軍用トラック事業を展開しており、従業員数は1,300人。売上高は推定5億ユーロに上る。

KANTはボルボの同部門を買収することで、戦車から軍用トラック、特殊車両までを一手に提供できるメーカーへと成長する。

ボルボはヴェルト紙の問い合わせに「売却交渉を現在、行っていない」と回答した。だが、フランス政府はルノーブランドの軍用トラック部門が「好ましくない売却先の手に渡る」ことを阻止したい考えという。ネクスターは仏国営企業であることから、ボルボの軍用トラック部門の売却先はKANTになると業界ではみられている。

ボルボは2001年、仏自動車大手ルノーのトラック部門を買収した。ボルボの傘下企業となった「ルノー・トラック」と乗用車メーカーであるルノーの間に資本関係はない。