ZFフリードリヒスハーフェン―ハルデックス株を競合クノールに売却―

自動車部品大手の独ZFフリードリヒスハーフェンは11月30日、スウェーデンの商用車ブレーキメーカー、ハルデックスを対象に独競合クノールブレムゼが実施している株式公開買い付け(TOB)に応じ、保有株をすべて売却すると発表した。ハルデックスに対してはZFもTOBを行ったがTOBの成立条件とした50%超の株式を確保できず失敗。保有株をクノールブレムゼに売却するのか、それとも手元に残すのかが注目されていた。

クノールブレムゼはハルデックス株を1株につき現金125スウェーデンクローナで買い取るという条件でTOBを実施している。すでに同株18.47%を保持していることから、ZF保有株(20.11%)の取得により38.58%を確保することになる。TOBの成立条件である50%超にはなお届かないものの、筆頭株主のZFが応じたことから他の株主が追随する可能性は高まった。ZFは同保有株の売却により1億ユーロ以上を獲得する。

クノールブレムゼは大手ブレーキメーカーであるため、TOBで50%超を確保してもハルデックス買収に対する独禁当局の承認を得られない可能性がある。同社のオーナーであるハインツヘルマン・ティーレ監査役会長はこれを踏まえ、事業の部分放出を視野に入れていることを明らかにしている。

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