スイス大手銀UBS(チューリヒ)は1日、欧州8カ国の資産管理事業を統括する子会社UBSヨーロッパSEを立ち上げた。独フランクフルトを統括拠点としている。英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)決定を受けて他の国際的な銀行が重要な機能をロンドンからフランクフルトに移転するとの観測もあり、フランクフルトの存在感が高まりそうだ。
新会社はドイツ、イタリア、ルクセンブルク、オーストリア、デンマーク、スウェーデン、オランダ、スペインの資産管理事業を統括する。UBSはこれによりガバナンス構造を簡素化するとともに業務効率を引き上げる考えだ。
新会社設立の検討は2年前に開始した。統括拠点にはフランクフルトのほか、ロンドンとルクセンブルクも候補に上がっていたが、UBSは◇フランクフルトには欧州中央銀行(ECB)がある◇ドイツは欧州最大の経済規模を誇る――などを踏まえ、フランクフルトに白羽の矢を立てたとみられる。
世界の大手銀ではブレグジット決定を受けて米シティが株式・為替取引業務の一部をロンドンからフランクフルトに移転する方向で検討している。英国がEUから離脱すると同国からEU加盟国の市場に自由にアクセスすることができなくなるためだ。