乗用車新車登録、今年は2010年代最大の340万台に

独自動車工業会(VDA)は2日、ドイツの乗用車新車登録台数が今年は前年比5%増の約340万台となり、2010年代の最高を記録するとの見通しを明らかにした。増加は3年連続。堅調な経済と雇用の安定、所得の拡大が追い風となっており、来年も今年と同水準に達すると予想している。

一方、独連邦陸運局(KBA)が同日発表した11月の乗用車新車登録台数は27万6,567台で、前年同月を1.5%上回った。全体の65.4%を占める社用・公用車が4.5%伸びて全体をけん引。部門別ではSUV(22.9%増)、キャンピングカー(19.8%増)、オフロード車(10.4%増)が特に好調だった。1~11月の新車登録台数は309万5,074台で前年同期を4.6%上回った。

11月の新車登録台数を動力源別でみると、ハイブリッド車が31.0%増の4,829台と大きく伸びた。購入助成金の対象となっているプラグインハイブリッド車は10.5%増の1,418台だった。電気自動車(EV)は購入補助金が適用されるにもかかわらず10.3%減の1,231台と振るわず、前月に引き続き落ち込んだ。

エンジン車ではガソリン車が11.1%増加し、新車に占める割合が52.7%に達した。このところ需要が縮小しているディーゼル車は8.3%減となり、シェアは44.9%にとどまった。

ブランド別でみて伸び率が最も大きかったのはジャガーで、前年同月比114.6%増の734台に拡大。これにアルファロメオ(79.9%増の403台)、レクサス(50.4%増の206台)が続いた。

ドイツ車ではポルシェが23.7%増の2,423台と好調で、BMW(7.9%増の2万2,306台)、スマート(7.4%増の3,263台)、メルセデス(6.4%増の2万8,514台)、ミニ(3.6%増の3,368台)、オペル(2.0%増の1万9,324台)も増加した。フォード(5.3%減の1万8,715台)、アウディ(5.9%減の2万483台)、VW(7.1%減の5万3,820台)は落ち込んだ。

レクサス以外の日本車ではスズキが28.9%増の2,887台と大きく伸びた。スバルは9.6%増の524台、日産は7.1%増の5,523台、三菱は3.7%増の3,114台。トヨタ(5.8%減の6,636台)、ホンダ(11.4%減の1,827台)、マツダ(18.7%減の4,135台)は減少した。

日本車以外の主な輸入ブランドではセアト(33.3%増の1万43台)、ボルボ(20.3%増の3,581台)、ルノー(17.0%増の1万3,011台)、プジョー(16.2%増の5,009台)が2ケタ台の伸びを記録し、ランドローバー(9.8%増の1,869台)、シトロエン(9.6%増の3,658台)、ダチア(3.0%増の3,818台)、フィアット(2.4%増の5,220台)も増加した。シュコダ(1.4%減の1万5,801台)、双竜(2.1%減の230台)、テスラ(2.9%減の132台)、現代(4.0%減の8,604台)、起亜(5.7%減の4,361台)、DS(14.3%減の390台)、ジープ(20.8%減の1,107台)は前年同月を下回った。

VDAが同日発表した11月の国内乗用車生産台数は52万5,100台で、前年同月を1%上回った。同輸出台数は5%増の40万9,100台。1~11月の累計は生産台数が前年同期比横ばいの536万8,200台、輸出台数が1%減の410万4,000台だった。

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