独化学工業会(VCI)は8日、同国の化学・製薬業界の売上成長率が来年は1.0%にとどまるとの予測を発表した。景気リスクが世界的に高いうえ、英国の欧州連合(EU)離脱決定や米大統領選挙結果を受けて政治の先行き不透明感も強まっているためだ。生産高については0.5%増加し、出荷価格も0.5%上昇すると見込んでいる。
VCIによると、今年の業界売上高は前年比3.0%減の1,830億ユーロへと後退する。生産高が0.5%増加するものの、石油安などを受けて出荷価格が2.0%落ち込むことが響く。国内売上高は4.0%減の715億ユーロ、国外売上高は2.5%減の1,115億ユーロとなる見通し。
今年の生産高を部門別でみると、医薬品が2.0%増と全体をけん引する。ポリマーも1.5%増と化学・製薬業界の平均(0.5%増)を上回る。一方、ファイン・スペシャル化学品は0.5%減少。無機化学品と消費財向け化学品では減少幅がそれぞれ1.5%、2.5%に達する。