アクテリオン―J&Jが買収断念、サノフィと交渉か―

製薬・医療機器大手の米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)がスイスのバイオ医薬品大手、アクテリオン・ファーマシューティカルズ(アルシュヴィル)の買収に向けた交渉を打ち切ったことが、両社のプレスリリースで明らかになった。アクテリオンは同時に、J&J以外の企業と戦略的な取引に向けて交渉している事実も公表。メディア報道によると、製薬大手の仏サノフィがアクテリオンの買収交渉を行っているもようだ。

アクテリオンは心臓医であるジーン・ポール・クロゼール最高経営責任者(CEO)が中心となって1997年に設立した企業で、希少病である肺動脈性肺高血圧症の治療薬を開発・製造している。J&Jは同社の買収により循環器系疾患分野の事業を強化する考えだった。

メディア報道によると、J&Jはアクテリオンを約270億ドルで買収することを提示した。これは同買収観測が浮上する前の株価を約60%上回る極めて高い水準で、市場ではアクテリオンの企業価値を十分に評価したものと受け止められていた。

だが、サノフィはアクテリオンの買収に最大300億ドルを提示しているもようだ。J&Jはサノフィに張り合うために提示額を引き上げることは株主の利益に反すると考え、買収交渉を打ち切ったとみられる。

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