ドイツ政府は18日の閣議で、無人機(ドローン)規制法案を了承した。無人機の増加に伴い事故やプライバシー侵害などのリスクが高まっていることに対応する狙い。同法案は今後、州政府の代表で構成される連邦参議院(上院)で審議・採決される。
ドイツには40万機以上の無人機があり、その大部分を個人が所有している。なかには利用が禁じられている空港近辺で操縦する愛好家もおり、航空機のパイロットが離発着時に目撃した数は昨年初頭から秋までに50機を超えた。
現行法でも空港や官庁、病院、原発の周辺では飛行が禁じられているものの、ドローンの普及を受けて一段と規制を強化する必要が出てきたことから、連邦交通省が今回の法案を作成した。
具体的には◇重量250グラム以上の無人機に持ち主の氏名と住所を明記したプレートの搭載を義務づけ、事故などが起きた際に責任者を速やかに特定できるようにする◇2キロ以上の無人機では免許や試験を通して操作に必要な知識を保有していることの証明を義務づける◇5キロ超の無人機では各州の航空当局から許可を得ることを義務づける――が盛り込まれた。
無人機の利用に際しては他人の敷地内、警察の活動現場、刑務所、産業施設、自然保護地区、特定の道路、高度100メートル超などでの利用が原則的に禁止される。また、重量5キロ未満の無人機は目視の範囲内で利用しなければならない。
一方、業務での利用に関しては規制が緩和。重量5キロ未満の無人機であれば当局の許可を取得する義務が免除される。これまでは重量に関係なく許可を取らなければならなかった。