トランプショックじわり、企業景況感1ポイント以上悪化

Ifo経済研究所が1月25日発表した同月のドイツ企業景況感指数(2005年=100)は前月比1.2ポイント減の109.8となり、2カ月ぶりに落ち込んだ。20日に就任した米トランプ大統領が保護主義的な姿勢を鮮明に打ち出していることが反映された格好。輸出産業を中心に先行き懸念が強まっており、Ifoのクレメンス・フュスト所長は「ドイツ経済は心もとなく新年のスタートを切った」との見方を示した。

今後6カ月の見通しを示す期待指数が2.3ポイント減の103.2と大きく落ち込んだ。デカバンクのエコノミストは、メキシコで工場建設を計画する自動車メーカーの名指し批判や環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱方針表明などトランプ大統領の言動を受け、保護主義のリスクがリアルに感じられるようになったと指摘。「ドイツ企業の景況感はトランプ大統領の就任から1週間足らずで悪化した」と述べた。

現状判断を示す指数は0.2ポイント増の116.9へと上昇した。

トランプショックを最も強く受けたのは製造業で、同業界の景況感指数は低下した。期待指数が大幅に下落したためで、現状判断は前月に引き続き改善した。工場稼働率は0.3ポイント増の86.0で、企業は物価の上昇傾向が強まるとみている。

卸売業では現状判断と期待指数が前月の反動で下落。小売業では高水準にある現状判断指数がやや落ち込み、期待指数も振るわなかった。

建設業の景況感指数は過去最高の更新が続いた反動で低下した。期待指数が下落。現状判断指数は過去最高となった。

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