鉄鋼系複合企業の独ティッセンクルップ(エッセン)は3日、軍用船子会社ティッセンクルップ・マリン・システムズ(TKMS)がノルウェー海軍に潜水艦を供給すると発表した。TKMSは昨年、オーストラリアの潜水艦入札で仏競合DCNSに破れ巨額受注を獲得できなかったことから、経営の先行きに懸念が持たれていた経緯があり、ノルウェーへの供給は明るい材料となる。
ノルウェー国防省の入札でDCNSを破って同国海軍の戦略パートナーに選定された。ノルウェー海軍はドイツと共同でTKMSから同一の潜水艦を調達することになる。今後はまず潜水艦の技術仕様の詳細を両国で定めたうえで、TKMSと交渉を行う。
両国にはTKMSの現行潜水艦「HDWクラス212A」に改良を加えた次世代潜水艦「HDWクラス212NG」を供給する。新潜水艦名の最後の「NG」には「ノルウェー-ドイツ」と「次世代(ネクスト・ジェネレーション)」の意味が込められている。
両国に供給するのは差し当たり6隻で、内訳はノルウェーが4隻、ドイツが2隻。TKMSはノルウェーの軍需大手コングスバーグ・ディフェンス・アンド・アエロスペースをメインサプライヤーとして2019年から建造を開始。2025年から30年にかけて納入する。