ダイムラー―研究開発費や引当金が利益の足かせに―

自動車大手の独ダイムラー(シュツットガルト)が2日発表した2016年12月期決算の営業利益(EBIT)は前期比2%減の129億200万ユーロへと落ち込んだ。研究開発費が膨らんだほか、トラックカルテルやタカタ製エアバックのリコールに伴う引当金の計上が響いた格好。特別要因を除いたEBITは3%増の142億ユーロとやや拡大した。

タカタ製エアバックのリコールとトラックカルテルの引当金はそれぞれ4億8,000万ユーロ、4億ユーロに達した。このほか、中国の提携先である北京汽車の保有株で評価損2億4,400万ユーロを計上。棚卸資産の評価損も2億3,800万ユーロと大きかった。

研究開発費は75億7,200万ユーロで、前期から15%増加した。自動車のあり方が今後、急速に変化することを見据え、環境対応車や自動運転技術、コネクテッドカー分野で技術開発を加速していることが背景にある。

売上高は3%増の1,532億6,100万ユーロとなり、過去最高を更新した。販売台数が5%増えて過去最大の299万8,386台に達したことが反映された格好。純利益(1%増の85億2,600万ユーロ)もこれまでの最高を記録した。

17年12月期は販売台数、売上高、EBITで小幅増を見込んでいる。

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