自動車部品大手の独ボッシュは1日、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)グループの排ガス不正問題に絡んで米国の消費者と中古車販売事業者がボッシュに損害賠償の支払いを請求していた集団訴訟で和解合意したと発表した。ボッシュは原告側の主張を否認しているものの、総額3億2,750ドルを支払うことを取り決めた。今回の合意は裁判所の承認を経て5月初旬に発効する見通し。
VWグループでは「EA189」というディーゼルエンジンの搭載車に違法ソフトウエアがインストールされていたことが、米当局の発表で2015年9月に発覚した。米国ではVW、アウディ、ポルシェの計3ブランドの約58万台が該当。被害を受けた消費者などはVWを相手取って損害賠償の支払いを求める集団訴訟を起こした。
ボッシュはVWが排ガス不正に用いたソフトを開発・供給していたことから、不正を知っていたにもかかわらずVWにソフトの供給を続けた、あるいは不正ソフトを共同開発したとの疑惑を持たれている。
米国の消費者と中古車販売事業者はそうした主張に基づいてボッシュに損賠支払いを請求した。今回の和解合意はVW、アウディ、ポルシェの2リットル車と3リットル車、合わせて55万4,000台を対象としている。
ボッシュに対してはドイツと米国の当局がそれぞれ捜査を進めており、同社は刑事責任を問われる可能性もある。