独市民の対米信頼感が急速低下、ロシアと同水準に

米国に対するドイツ人の信頼感が急速に低下していることが、最新の世論調査で分かった。調査機関インフレテスト・ディマップが公共放送ARDの委託で実施したアンケート調査によると、米国を「信頼できるパートナー」だと回答した有権者は22%で、昨年11月の前回調査(同59%)の約3分の1の水準へと落ち込んだ。ロシアの21%とほぼ同じレベルで、米国の数値としては過去最低。「米国第一」を掲げるトランプ新大統領が打ち出したイスラム圏7カ国からの入国禁止措置や、ドイツや欧州連合(EU)に対する攻撃的な発言がストレートに反映された格好だ。

一方、ドイツの次期首相候補に関する質問では、キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)のメルケル現首相を支持する人が1日時点で34%となり、1月25日の前回調査に比べ7ポイントも下落。同29日に社会民主党(SPD)の首相候補に任命されたシュルツ氏(欧州議会前議長)は9ポイント増の50%に達してメルケル首相を一気に追い抜いた。難民問題でメルケル首相の人気に陰りが出ているのに対し、シュルツ候補は国政での活動歴がなく新鮮感があることから、多くの有権者は期待感を込めて同候補への支持回答を行ったとみられる。

シュルツ効果でSPDの支持率も前月から8ポイント増の28%へと急伸。CDU/CSUは3ポイント減の34%へと落ち込んだ。

9月に行われる連邦議会(下院)選挙では各政党の具体的な政策方針を最重視するとの回答が68%とダントツで多いことから、今後の選挙戦で有権者の心をつかむような政策をSPDが打ち出せなければ、同党の支持率は再び低下するとみられる。

上部へスクロール