RWE―過去最大の赤字に―

エネルギー大手の独RWE(エッセン)が2月22日発表した2016年12月期暫定決算の純損益は57億ユーロの赤字となり、13年12月期に記録した過去最大の赤字(28億ユーロ)を更新した。赤字は2期連続。電力卸価格の見通し悪化を受けて発電所で減損損失43億ユーロを計上。放射性廃棄物の中間・最終保管を引き受ける国の基金に拠出金68億ユーロを払い込んだことも響いた。巨額赤字の計上を受け経営陣は普通株の配当を前期に引き続き見送る考えだ。

欧州では助成対象となっている再生可能エネルギー電力の増加を受けて電力卸売価格が下落している。そのしわ寄せで火力など従来型発電の採算が悪化。RWEはこれを受けて発電所の減損損失計上を余儀なくされた。ドイツが37億ユーロと大部分を占める。

ドイツでは昨年末、原子力発電所の稼働停止から放射性廃棄物の最終保管までの責任分担を定めた一括法案が成立した。これらの過程で発生するコストは基本的に原発事者が負担するものの、各社の財務が悪化し同コストをねん出できなくなることを避けるために原発事業者の負担額を明確化。それを超える費用が発生する場合は国が引き受けるという内容だ。

放射性廃棄物の中間・最終保管は国の責任で行うことになっており、原発4社はその費用として国の廃棄物処理基金に総額235億ユーロを支払い、中間・最終処分義務を免除される。

RWEは12月末時点の純債務が227億ユーロとなり、15年末に比べて28億ユーロ減少したことも明らかにした。

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