BMW―「ミニを英国で生産する必要はなし」=取締役―

独高級車大手BMW(ミュンヘン)のハラルド・シュヴァルツェンバウアー取締役(ミニ、ロールスロイス担当)は7日ジュネーブモーターショー会場で、小型車ブランド「ミニ」を英国で生産しなければならない理由はないとの立場を明らかにした。ミニを巡っては英国の欧州連合(EU)離脱決定を受けて同国での生産を将来的に大幅に縮小するとの観測が出ているが、これが必ずしも誇張でないことが裏付けられた格好だ。

ミニは英国生まれのブランドで、BMWは1994年、同業ランドローバーの買収に伴い同ブランドを取得。2001年からボディーサイズを大型化した新「ミニ」の生産を英オクスフォード工場で開始した。

シュヴァルツェンバウアー取締役は今回、生産拠点を決めるうえで最も重要な要因は「車両をどこで販売するかだ」と明言した。英国製ミニの80%は現在、他の欧州諸国などに輸出されていることから、必ずしも英国で生産する必要はないことになる。

ただ、英国のEU離脱に伴いEU向け車両に関税がかかることについては生産拠点決定の従属的な要因の1つに過ぎないと指摘。EU離脱が英国生産の決定的なマイナス要因になるわけではないことを強調した。

一方、BMWのハラルド・クルーガー社長は、19年に市場投入予定のミニの電気自動車(EV)モデルについて、オクスフォードのほか、蘭ボルン(生産委託先である蘭VDLネッドカーの所在地)、独ライプチヒ、レーゲンスブルクの4工場が生産拠点候補となっていることを明らかにした。年内に決定を下すとしている。

同社長は排ガス規制などを背景にディーゼル車の販売が減少していることにも言及。BMWグループの欧州乗用車販売台数に占めるディーゼル車の割合は前年の78%から73%に低下したことを明らかにした。ディーゼル車の需要減は今のところ明確なトレンドになっていないとみている。

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