日立製作所―生産設備融通技術を独研究所などと共同開発―

日立製作所は16日、数量や加工条件などの重要情報を秘匿したまま複数の企業が生産設備を融通できるようにする技術を独フラウンホーファ研究機構製造技術・自動化研究所、ハンガリー科学アカデミー計算機自動化研究所と共同開発したと発表した。同開発の成果は製造業におけるモノのインターネット(IoT)化やインダストリー4.0での協力を推進する「日独IoT連携」共同プロジェクトのユースケースに登録された。20日に開幕したハノーバー国際情報通信技術見本市(CeBIT)で日独連携の成果として紹介されている。

日立は生産設備の利用権を必要な時に必要な時間だけ企業間で融通しあう「クラウドマニュファクチャリング」の技術開発に取り組んでいる。これを実現するためには、生産に必要な数量や加工条件などの重要情報を暗号化し、生産管理システムと複数の企業の生産設備をセキュアに接続する技術が必要不可欠であることから、実現性を検証するためにフラウンホーファ研究所、ハンガリー科学アカデミーと共同研究を実施した。

具体的には◇設備貸与者と利用者の間での設備利用契約や生産計画に基づいて秘匿すべき重要情報を決定し、利用者が暗号化を行う◇暗号化された重要な情報と生産に必要なその他の情報が一時的に接続された貸与設備へと送信され、生産が行われる◇送信された情報は生産終了後に無効化さる――という仕組みの検証を実施した。

同技術を導入すると、設備利用者は重要情報を秘匿しながら借り受けた設備をあたかも自社の生産設備のように使用できることから、企業間でのセキュアな生産設備融通が可能となる。

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