これまで3月に開催されてきたハノーバー情報通信技術見本市CeBIT(セビット)が来年から初夏に実施されることが分かった。メディア報道を追認する形で主催者が22日に明らかにしたもので、2014年から廃止していた一般公開も再開する。
CeBITは産業見本市ハノーバーメッセから1986年に独立した見本市で、これまではハノーバーメッセの4週間前に開催されてきた。だが、3月は気温が低く、風邪を引く参加者も少なくないことから、初夏へと変更することにした。来年は6月11~15日に開催される。
CeBITはCentrum für Büroautomation, Informationstechnologie und Telekommunikation(オフィス機器・情報技術・電気通信センター)の略。ハノーバーメッセを母体として生まれた経緯からも分かるように企業の商談を目的とした専門見本市だった。だが、情報通信技術(ICT)が消費財分野に広がるにつれて消費者向けの見本市という性質が強まった。
これに対し多くの出展企業から「消費者が多いと商談ができない」という苦情が出たため、一般公開を廃止した。この結果、娯楽家電メーカーはベルリンで開催されるコンシューマーエレクトロニクス見本市「IFA」、通信業界の企業は西バルセロナの「モバイル・ワールド・コングレス」などに流出。CeBITの訪問者数はピーク時の80万人強(01年)から近年は20万人程度に減少している。
モノのインターネット(IoT)など今後は日常生活の隅々までデジタル化が進展していくこともあり、主催者は消費者に再び門戸を開くことにした。来年から一日限定の一般公開日を設ける。