ダウとデュポンの合併、欧州委が条件付で承認

欧州委員会は3月27日、米化学大手のダウ・ケミカルとデュポンが合併する計画を承認したと発表した。両社が提示した事業売却など競争上の是正策を実施することが条件となる。

ダウとデュポンは2015年12月に合併で合意。新会社「ダウ・デュポン」は、売上高で独BASFを抜き、世界最大の化学企業となる。これについて欧州委は、農薬市場を中心に競争上の懸念があるとして、難色を示していた。

これに対応するため両社は今年2月、デュポンが農薬事業の大半を研究開発拠点も含めて売却することを提案。化学事業でも、ダウがスペインと米国にある酸共重合体の工場を売却する方針を打ち出した。

欧州委はこれらの措置によって競争上の懸念が完全に払しょくされるとして、その実施を条件に合併を承認した。

同合併計画はEUの認可を取り付け、実現に向けて大きく前進したが、なお米国、中国、ブラジルなどの競争当局から承認される必要がある。

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