ドイツ連邦統計局が22日発表した2016年の賃金指数はインフレ率を加味した実質で前年を1.8%上回り、3年連続で上昇した。経済の堅調を背景に名目賃金が2.3%上昇するなかで、インフレ率が0.5%と低水準にとどまったことから、実質の上げ幅が大きくなった。
雇用形態別でみて名目賃金の上げ幅が最も大きかったのは、税金・社会保険料納付義務が免除される「ミニジョブ(月収上限450ユーロ)」と短期アルバイトで構成される「僅少労働者(Geringfügig Beschäftigte)」で、3.6%に上った。職能グループ別(僅少労働者を除く)でも非熟練労働者の3.1%が最も高いことから、賃金格差はわずかながら縮小したことになる。これを反映して、性別では男性の上げ幅が2.1%だったのに対し、女性は2.6%に上った。
一方、07年の名目賃金に対する16年の上昇率は22.7%に上った。雇用形態別で伸び率が最も大きかったのは僅少労働者で、29.3%に達した。職能グループ別では管理職の29.2%が最も大きく、これに非熟練労働者(22.6%)が続いた。専門職(19.7%)と熟練労働者(18.9%)は伸び率が平均(22.7%)を下回った。