シーメンス―医療技術部門が米国防省から大型受注―

シーメンスの医療技術部門シーメンス・ヘルシニアーズが、米国防省との間で大型受注の枠組み契約を締結した。米国の陸・空・海軍にレントゲンなどの医療機器やメンテナンスサービスを提供する。契約期間は5年で、さらに5年延長できるオプション条項も付いている。受注規模は最大で41億米ドルに達する見通しだ。

シーメンスはここ10年ほど米国防省と取引しており、過去3年では年数億米ドル程度の契約だった。「米国第一」を掲げ、国内産業の支援を目指すトランプ大統領の政権下では、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が有力視されていただけに、シーメンスが今回、26の競合企業を押しのけて受注を獲得したことに驚きの声が広がっている。先月、メルケル首相がトランプ大統領を訪問した際、シーメンスのケーザー社長も随行しており、これが今回の受注につながったとの観測もある。

米国はシーメンスにとって最も重要な国外市場となっている。同国には60以上の生産拠点があり、5万人の従業員を雇用している。ケーザー社長は米国でさらなる投資と雇用創出を約束しており、マサチューセッツ州ウォルポールにあるシーメンス・ヘルシニアーズの拠点だけでも約700人の増員を計画している。

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