貴金属大手の独ヘレウス(ハーナウ)は3日、同社が33%出資するスイス同業アルゴール・ヘレウスの株式をコメルツ銀行などから譲り受け完全子会社化すると発表した。両社は事業の補完性が高いことから買収に踏み切る。同買収により世界最大の貴金属サービス事業者となる見通しだ。買収金額など取引の詳細は公表しないことで合意した。取引の成立には当局の承認が必要。
アルゴールはイタリアとの国境に近いメンドリシオに本社を置く企業で、スイスのほか、ドイツ、イタリア、南米に事業拠点を持つ。従業員数は300人。金と銀の分野に強みを持つ。
ヘレウスは白金、パラジウム、イリジウムなど白金族元素に強いことから、アルゴールは製品分野で補完性が高い。事業地域でもヘレウスがアジア、インド、北米、アルゴールが南米に強みを持つことから、相乗効果が期待できる。