複数の公的健康保険組合が4月1日付で追加保険料を引き上げた。引き上げたのはKKH、シュヴェニンガーBKK、BKKザルツギターの3機関で、約200万人の被保険者が対象となる。
ハノーファーの代替保険組合KKHは追加保険料を所得の1.5%(0.3%ポイント増)に引き上げ、基本保険料と合わせた健康保険料率を16.1%とした。これは現行の平均保険料率の15.7%を0.4%上回る。企業別健康保険組合のシュヴェニンガーBKKも追加保険料を1.3%(0.2%ポイント増)に引き上げ、全体で15.9%。BKKザルツギターは1.1%(0.2%ポイント増)引き上げ、15.7%とした。
ドイツでは健保組合間の経済格差をなくすため2009年から保険料収入(基本保険料金)は健康基金(Gesundheitsfonds)に一元化された。徴収された保険料は個々の被保険者の病状などを加味したうえで健康基金から各健保組合へと配分される。分配金でやり繰りできない組合は追加保険料を徴収できるため、各組合の財政状況によって追加保険料の料率が異なる。
公的健康保険組合連盟の広報担当者は、「今回の値上げは、潤沢な財政状況にある連邦政府が医療制度改革を怠っていることに対する警告だ」と指摘。安定した医療健保サービスを維持するには、医療制度や薬価制度の改革が不可欠だと訴えた。