自動車部品大手の独ボッシュ(シュツットガルト)は4日、完全自動運転システムの開発で高級車大手のダイムラーと提携すると発表した。提携によりシナジー効果を引き出し、完全自動運転車の実用化を加速する考え。2020年代初頭の市場導入を目指す。
両社は米自動車技術会(SAE)が定める「レベル4」の完全自動運転車(運転をシステムに全面的に任せることが可能)と、「レベル5」のドライバーレス車の実現に向けて、ソフトウエアとアルゴリズムを共同開発する。システムとハード部品に関するボッシュのノウハウと車両全般に関するダイムラーのノウハウを連携させる。
都市部でカーシェアリング、無人運転タクシー(ロボットタクシー)として投入することを念頭に置いている。渋滞緩和や道路交通の安全性向上といった効果を見込む。カーシェア車両とロボットタクシーはスマホで呼び寄せて利用できるようにする考えだ。
ボッシュは従来、完全自動運転車の実用化の時期を20年代半ばと想定していた。だが、日本が東京五輪の目玉としてロボットタクシーの導入を目指すなど実用化の機運が世界的に高まっていることから、20年代初頭へと前倒しした。