ソーラー自家発電収入試算サイト、エーオンがグーグルと立ち上げ

エネルギー大手の独エーオンとIT大手の米グーグルは3日、ソーラーパネルの設置によって削減できるコストの試算サイトをドイツで立ち上げた。グーグルがこれまで米国で展開してきた同サービスを初めて米国外でも提供する。ドイツにはソーラーパネルの設置に適した家屋が多くあるものの十分に活用されていないことから、同サービスを通して需要を掘り起こしていく。

グーグルは2015年、ソーラーパネルの設置で削減できるコストの試算サービスを開始した。中核となる技術は同社の地図データ「グーグルマップ」と航空写真データ「グーグルアース」、および機械学習技術で構成されるプラットフォーム「サンルーフ」で、利用者が自宅などの住所を専用サイトで入力すると、気象情報、各季節の太陽の位置、屋根の面積と傾斜、周囲の建物や樹木の影といったデータをもとに年間日照量と、ソーラーパネルの設置により削減できるコストを算出する。

エーオンはグーグルおよびソフト開発の独テトラエーダー(Tetraeder)と手を組みドイツで同サービスを開始した。専用サイト( www.eon-solar.de )で住所を入力すると、試算結果を得ることができる。現時点では対象地域が限られ、試算可能な建造物も約700万軒にとどまるものの、今後拡大していく計画だ。ドイツ以外の欧州諸国にサービスを拡大することも検討する。

独連邦経済省によると、ドイツにはソーラーパネルの設置に適した屋根が計1,100キロ平方メートルある。そのすべてにソーラーパネルを設置すると発電能力は100ギガワットで、大型発電所30基に相当する。現時点では設置に適した屋根の4分の1しか利用されておらず、潜在需要は大きい。

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