独ライフサイエンス大手バイエルによる米農業化学大手モンサントの買収計画を審査していた南アフリカ競争委員会は7日、同計画を条件付きで承認したと発表した。バイエルの種子ブランド「リバティリンク」事業を同種子用の除草剤「リバティ」を含めて放出するよう命令している。バイエルはメディアの問い合わせに、南ア競争委の提示条件を受け入れたことを明らかにした。
バイエルは昨年9月、モンサントを買収することで合意した。買収総額は最大660億ドルで、ドイツ企業の外資買収では過去最大となる。独禁審査と株式公開買い付け(TOB)を経て、買収手続きが今年末までに完了すると予想している。世界の約30の当局から承認を得る必要があり、4月末時点で6当局の承認を取得していた。
ロイター通信によると、両社は3月、当局の承認を得るために総額25億ドルの事業放出計画をまとめ上げた。リバティリンク事業は放出対象に含まれており、南ア当局の今回の命令は想定内だったようだ。