フォイト―デジタルサービス会社買収―

機械大手の独フォイト(ハイデンハイム)は15日、独デジタルサービス事業者ライ・ソノ(Ray Sono)を買収すると発表した。モノのインターネット(IoT)の普及を見据え、産業用デジタルソリューション事業を強化する狙い。フォイトはIoT分野のノウハウ拡充を狙って産業ロボット大手の独クーカに戦略出資したものの、クーカが中国家電大手の美的集団に買収されたことから、新たな協力先を模索していた。

ライ・ソノの株式60%を取得する。取引金額は非公開。ライ・ソノは買収後も独立した企業として活動するため、既存顧客との取引に影響はでない。

フォイトは昨年、各事業部門に分散するデジタル関連の事業を統合し、新部門「デジタル・ソリューションズ」を設置した。新たな事業モデルを構築して、ドイツが官民挙げて推し進める「インダストリー4.0」で主導的な立場を確保。業績拡大につなげる意向だ。

今回の買収はこの取り組みを加速するもので、フォイトは産業用デジタルソリューション分野でライ・ソノのパイロット顧客となる。ライ・ソノはフォイトとの協働で得るノウハウを他の顧客との取引に活用していく。

ライ・ソノは1992年の設立で、従業員数は約200人。顧客には自動車大手BMW、ドイツ鉄道(DB)、工業ガス大手リンデなど有名企業が名を連ねている。昨年の売上高は1,880万ユーロだった。

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