電機大手のシーメンス(ミュンヘン)は11日、ドイツ本国で従業員を削減すると発表した。事業のデジタル化を一段と推し進めるとともに、業績不振の事業にメスを入れる。ケーザー社長は問題のある事業に早い段階で是正策を施す考えを以前から表明している。
今後数年で同国の従業員1,700人を整理する。これとは別にグループ内での異動とアウトソーシングを計画しており、計1,000人が該当する。この間に国内で約9,000人を新規雇用するため、ドイツの雇用規模は縮小しない可能性もある。
人員整理・異動・アウトソーシングの規模が最も大きいのは社内IT分野で、1,350人が該当。そのうち700人は外部の企業に移籍することになる。
デジタルファクトリー部門では現在ニュルンベルク、フュルト、エアランゲン、アンベルクにある物流拠点を、アンベルクの新しい物流センターに統合し効率化を図る。これに伴い600人を整理するほか、250人を異動・移籍の対象とする。
鉄道設備分野でも従業員数を削減する。中国競合の国際販売強化などを背景に価格圧力が高まっているためで、クレーフェルト拠点の従業員数を300人減らす。
このほか、現在ドイツに33ある社内教育拠点を整理統合するとともに、一部業務のアウトソーシングも実施し180人を削減する。